今回はジャズからインダストリアルロックまでベーシストとして引っ張りだこのピノ・パラディーノについて掘り下げ、彼の独特な演奏スタイルや機材の使用、代表的な楽曲について深く探っていきたいと思います。
ピノ・パラディーノの柔軟なプレイスタイル
ピノ・パラディーノは、その柔軟性と表現力で知られるベーシストです。彼のプレイスタイルは、ジャンルに捉われない多様性を持ち、ポップ、ロック、R&B、ジャズなど幅広い音楽スタイルに対応しています。
ジャンルの枠を超えたプレイ
ピノのベースプレイは、メロディアスでありながら卓越したグルーヴ。一つの曲の中で、さまざまなテクニックを駆使し、曲の雰囲気に合わせて音色やプレイスタイルを変えることができます。ソフトなタッチから、力強いグルーヴまで、ピノのプレイは常に曲の中で生き生きとしています。
独特な音色の追求
ピノの音色は独特のクリアさと暖かみを持ち、聴く者を魅了します。彼は楽曲によって、ピックや指で弾くなど、多様なアプローチで独自のサウンドを生み出します。
ピノの使用機材と音作り
ピノ・パラディーノは、独自の音色を追求するために、さまざまなベース機材を駆使しています。彼の音作りは、彼が通過してきた音楽的な旅路を反映しています。
ミュージックマンスティングレイ フレットレス
1970年代から80年代にかけて、彼はミュージックマン スティングレイのラインなしフレットレスモデルを主に使用していました。この時期の彼の演奏は、BOSS-OC2を用いてシンセベースのような重厚でユニークな音色を作り出していました。
Fender Precision Bassへの移行
その後、彼はFender Precision Bassを主に使用するようになりました。特に、フラットワウンドの弦を使用することで、より温かみのある滑らかなサウンドを実現しています。ピノ自身はR&Bの音を出すためにフラットワウンドを使っているとのことです。
ピノ・パラディーノのベースが聞ける楽曲
ピノ・パラディーノが参加した楽曲は多岐にわたりますが、彼のベースプレイの真骨頂を感じることができる代表的な曲を以下に挙げます。
PSP
ピノ・パラディーノとサイモン・フィリップスとフィリップ・セスという超絶えげつないミュージシャンを集めたバンド、ピノ、サイモン、フィリップの頭文字をとってPSPというバンドでのピノのソロ。PSPでは80年代に愛用していたミュージックマンのフレットレスで演奏されていますね。
D’Angelo – “Feel Like Makin’ Love”
この記事にたどり着いた人は1分10秒まで我慢して聞いて欲しい。驚異的なグルーヴを感じられます。
ベースのグルーヴは、一般的に「遅れて(後ノリで)弾く」ことで、聴き手に「ゆったりとした、余裕のある」感覚を与えるものとして知られています。
D’Angeloのアルバム「Voodoo」におけるパラディーノのベースは、その「遅れ」がさらに強調されており、聴き手を「酔ったような、酩酊した」感覚に陥らせます。
この後ノリの凄まじさは、その「遅れ」があくまでも「グルーヴ」として機能していること。このグルーヴを実現するためには、ピノの卓越したテクニックと不可欠です。
pino Palladino Bass
YOUTUBEに彼のプレイリストがあったため、貼り付けました。この映像は見たことがなかったのですけど、とても素晴らしいベースプレイが聞けます。
Paul Young – Everytime you go away
ピノのフレットレスベースの良さがこれでもか!という程聞こえます。フレットレスの無限音階が気持ちよく、コーラスのかかり具合も素晴らしいです。
Nine Inch Nails
ピノ・パラディーノはジャズやファンクだけではなく、インダストリアルロックバンドのナイン・インチ・ネイルズにも参加しています。NINのライブ映像を好きで見ていたらまさかのピノがベースを弾いていて見た時はぶったまげました。
まとめ
ピノ・パラディーノは、その卓越した演奏技術と音楽的多様性で、世界中のベースプレイヤーに影響を与え続けています。ピノの演奏を聴くこと、ピノが使用する機材を知ること、ピノが参加した楽曲を分析することで、ベースプレイの新たな可能性を発見するきっかけになるでしょう。
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