今回はちょっと前に椿田りさちゃんがpedullaとwishbassを使った【頂点と底辺】フレットレスベース弾き比べクイズ!という動画をあげ、SNSなんかで話題になっていたwishbassについて書いていきます。
幸運なことに過去に私もこのwishbassを所持していたことがあるため、その時のインプレッションを最大限に思い出しながらwishおじいちゃんばりに適当に書いていきます。
wishbassって…?
アメリカ・ノースカロライナ州に住んでる変わり者のおじいちゃんが1本1本完全ハンドメイドで作成されているベースです。
完全ハンドメイドなのにも関わらず値段が新品で送料込みで5万以内で買えるお得感満載のwishbass。
物は言いようで完全ハンドメイドとは最大限に良く聞こえるように言いましたが、おじいちゃんが趣味で好きなように作っているベースです。
とにかく独創的な楽器作りが大好きで、常識にとらわれないベースがwishbassの最大の魅力とも言えるでしょう。
wishbassの特徴1・新品でジャンク品
wishbassを買う前に言っておくッ!
おれはやつが作るベースをほんのちょっぴりだが体験したッ!
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは wishbassを新品で買ったと思っていたら届いた時には壊れていた」
なにを言ってるかわからねーと思うが俺もわからなかったぜ。
頭がどうにかなりそうだった…
基本的には新品で購入しても、どこかしらの不具合があるため、自分で手を加えるなり楽器工房にもっていって修理してもらわなければまともに使うことのできない道具として致命的なベースそれがwishbass。
私が購入したwishbassは、弦高が12フレットで1センチ超えでした。
サスティーンが極端に短く、ウッドベースを彷彿させるような基音が特徴的なベースでした。
このベースを弾いていると巨人の星に登場した大リーグ養成ギブスってこんな感じだったのかなーなんて思いに浸れます。でも邪魔だったので売りました。ごめんなさい。
wishbassの特徴2:金属は極力使わないので木の鳴りを楽しめる
wishbassは木の温かみある極上のトーンを体感してもらいたい。という意向のもと、極力金属の使用を控えています。ナットやブリッジにも金属は使わず人工大理石が使う徹底っぷり!(石はOKみたい)
金属部品と言ったらペグとポット、後はネジと釘くらい。
当然ですが、トラスロッドも入っていません。
トラスロッドが入っていないためネックが反らないように、極太の丸太ネックを採用しています。プレベより断然太いですよ。4弦でナット部分に5cm近くある個体も存在します。
でも、反るときゃ反ります。
順反りが激しくなってきて弾けなくなったら指板を削って平面を出しましょう。
トラスロッドを仕込みたい場合はオーダーしましょう。+1万円弱でトラスロッドを入れてくれるみたいです。
そっかー。ネック動いたら削らなきゃいけないのか-…維持費かかるなー…と思ったあなたへ朗報。
そもそもwishbassは新品の時から指板もネックもガタガタです。
購入後、即座に指板修正をしましょう。
wishbassの特徴3:パッと見たらハイエンドベース
画像のwishbassをご覧ください。近くで見れば粗悪な造りですが、遠目で見ればシングルカッタウェイのハイエンドベースのように見えてきませんか?ナチュラルな木目が美しくまるでF◯deraベースのよう…まではいかずとも、名のある工房が作った高そうなベースに見えます。
そう、wishbassは遠目で見ればとても高級感ただようベースに見えるんです。
えっ…見えない…?えっ…あっそうすか…。
wishbassの特徴4:指板サイドのドットポジションは釘
ここに金属を使うメーカーってwishbassの他にあるのかな?
フレットレスベースを弾く際にピッチ確認のための指板サイドのドットポジション。
このドットポジションには釘が刺さっており指先で触るとチクチクします。
でも別に釘が刺さってる位なら問題はないんです。
本当に問題なのはこのドットポジションの位置が、本来あるべき位置からズレてます。
フレッテッドベースのようにフレットとフレットの間にポジションがされているとかではなく、全てが不規則に微妙にズレて打たれています。
この釘を見ながら弾くと、あら不思議!
普通に弾いたらまず出ないであろう特殊なピッチでの演奏が可能!!
しっかりと調整されたフレットレスベースではwishbass特有の不穏な音を奏でることはまず再現不可能でしょう。
まるでwishおじいちゃんから「目で見るものがすべて正解だと思うな。自分の耳を信じろ。」と語りかけられているかのような気になります。
ちなみ釘の頭の部分は削り取られているため、釘を取るには周りを削って摘出しなければなりません。頑張ってください。
持ってたwishbassの特徴
個体数が非常に少なく、もう売却しちゃったので詳しいことはかけないんですが、箇条書きで…
画像は身バレする恐れがあるため貼りません。
・ノイズシャーシャー
・弦アースをとるためにパネルを開けたら配線がちぎれた
・ナットとブリッジは馬鹿みたい背が高かった
・スケールが34ではなく33.94インチ←
・音はボンッボンッ
・重量軽すぎワロタ
・ネックが凸凹(裏も表も)
パネル蓋も木で作ってくれてたんですが、小学生が書いた円くらいいびつな丸型でした。
さすがに自分1人の力じゃ再生しきれないなー。と思って馴染みの工房に持ち込んで見てもらうと店のオーナーさんはゴキブリでも見るかのような目でwishbassを見てました。
結局使えるようにするには結構な費用が必要だと言われたので、ちょっとづつ改造するかー。なんて思ってたんですが、邪魔だったので売りました。ごめんなさい。
wishbassの音が聞ける音源・動画
とりあえず造りがヒドイのはわかったけど、wishbassの音ってどんなもんなんじゃい。って気になる方もいらっしゃると思いますので、この項目はwishbassが使われているで音源や動画などを紹介していきます。
【椿田りさ】 wishbassを世界一 綺麗な音で奏でるフレットレスベーシスト
バーチャルフレットレスベーシスト椿田りさちゃんの手にかかればwishbassさえも大変身。
YOUTUBEでの弾き比べ動画でもわかるように、とんでもないクオリティのベースにまで昇華されてます。所持してた人間なら必ずわかる別の楽器感…。こんな透明感ある音しなかったよ。マジで。
そんな椿田りさちゃんがベースを弾く3ピースバンドのSheena Trio
ファーストアルバム「First Scence」に収録されているPicture of Risa でwishbassの音も聞けるのですが、息が止まるくらい美しいねいろを聴かせてくれます。
フレットレスベーシストもそうでない普通のベーシストにもオススメできる音源。
下記ページでMP3販売しているので、興味がある方はどうぞ。
【ピヨ彦】 弾いてみた動画で一躍有名になったベーシスト
ニコニコ動画全盛期の頃に弾いてみた系ベーシストで一躍有名になったピヨ彦さん。
そんなピヨ彦さんがwishbassを弾いている動画があります。2:40秒位でwishbassを使っているんですが、相当特殊な改造が施されています。
改造箇所やえらいことになっていく工程はこちらの方のブログで見れます。
Wishbass改造記1~8
1.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-268.html
2.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-269.html
3.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-270.html
4.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-271.html
5.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-272.html
6.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-273.html
7.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-274.html
8.http://avici.blog.fc2.com/blog-entry-275.html
【きーおす】 wishbassに11弦ベースをオーダーした特殊弦楽器デザイナー
多弦スキーなら必ず知ってる きーおすさんもwishbassに特殊な11弦ベースをオーダーされています。凄すぎてわけがわからないよ。
このwishbassやっぱり凄い#私のことはどうでもいいのでwishbassを布教して pic.twitter.com/3w29iBUxbB
— きーおす (@kio_designs) 2018年11月16日
ちなみに届いた時はもちろんwishbassクオリティだったらしく工房さんでリファイン!
ホームページではさっくり書いてますが、相当大掛かりなオペだったはず…
【Steve Wishnevsky】wishbassを作ってる張本人
通称wishおじいちゃん
wishおじいちゃんがセッションしてるんですけど、デモでもこの演奏をアップしようとした心意気というか、勇敢さがすごい。ってくらい演奏ひどいことなってます。
ゆるすぎる空気感…
フレットレスでの無限音階を最大限に活かした演奏は到底真似できるものではありません。
まとめ wishbassを購入しようとしている方は自己責任で
wishbassは購入してそのままでは使えない状態で届くのがテンプレートです。
wishbassを道具として使おうとすれば、知識がある方や楽器工房に持ち込まねばなりません。
まともなフレットレスベースが欲しいという方にはオススメできません。
改造大好きで人と同じものを持ちたくないオンリーワンなベースを持ちたい個性派ベーシストにはオススメです!
楽器弄りで有名な こいちさん がwishbassを使えるようにしていくブログ、かなり面白いのですがこの位の覚悟は必要ってことで…
wishbassは鑑賞用ベース。
それくらいゆる~~~~~いベースって認識してれば、手に入れた後でも心に傷を追うことなく過ごせるかと思います。自分で改造できる人はそこまでコストがかかりませんがお店に持っていくとなると結構な費用が消えていきます。
ありとあらゆるベースを弾いて、たまには変わり種のベースに触れてみたい。そんなぶっ飛んだ人は是非ebayでゲットしてみましょう!
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