フレットレスベース=ジャコ・パストリアス。
ジャコ・パストリアスの偉大なる功績やプレイヤーとしてのカリスマ性は、ギタリストやドラマーでも「好きなベーシストはジャコ!」っていう人が周りにいませんか?
この記事は偉大過ぎるジャコを完全に無視し、ジャコ以外のフレットレスベースの名手たちを紹介していきます。
また、ここで紹介するベーシストは管理人の好みが色濃く出ており、音源やYOUTUBE動画なども紹介しているので、御覧ください。
- Michael Manring (マイケル・マンリング)
- Esperanza Spalding(エスペランサ・スポルディング)
- Percy Jones (パーシー・ジョーンズ)
- Les Claypool (レス・クレイプール)
- Pino Palladino(ピノ・パラディーノ)
- Gary Willis (ゲイリーウイルス)
- Mick Karn(ミック・カーン)
- Tony Franklin(トニー・フランクリン)
- Marco Mendoza(マルコ・メンドーサ)
- Jeff Schmidt
- Remco Hendriks
- 永井敏己
- 今沢カゲロウ
- 織原良次
- 諸田コウ (Doom,えがおドラミ)
- 千葉政己 (Shellshock ,GIGATIC KHMER)
- バーチャルフレットレスベーシスト 椿田りさ
Michael Manring (マイケル・マンリング)
ジャコの弟子という肩書を持つマイケル・マンリング。
初めてマンリングを見た時は空いた口が塞がりませんでした。
マイケル・マンリングはZONのHYPER BASSというモデルを使っており、高音弦側が大胆にカットされています。
これによって36フレット分の音域をカヴァーしつつ、なおかつ使っているベースはピッコロベースで非常に綺羅びやかな音が特徴。
タッピングやコード弾きも当たり前に使用。
演奏中にヒップショットのペグでチューニングを変えながら演奏したり、曲中で2フィンガーを使って弾いている方が少ないのではないだろうか…と思わせるほどテクニカルかつメロディアスなプレイです。
紹介する動画はライブ+クリニックみたいなものなんですが、ライブは前半の20分とラスト5分
出だしはE-Bowを使った美しいアンビエントのような曲を奏で9分頃からはマンリングのバカテクをこれでもか!という程見られます。
もし、マンリングを知らないのであれば、10分だけでいいから見てください!
9分頃から10分ほど下の動画を見てほしい。釘付けになること間違いありません。
Esperanza Spalding(エスペランサ・スポルディング)
出典:https://www.reddit.com/r/PrettyGirls/comments/9csog5/jazz_bassist_esperanza_spalding/
バークリー音楽大学にて二十歳という若さでベース講師につくほどの実力を持つエスペランサ。
ベーシストでありながら歌唱力も人知を超えており、アルバム:Radio Music Societyではグラミー賞 最優秀ジャズ・ボーカル・アルバムを獲得。
まず、最初に…この動画を御覧ください。
動画4分まではフレットレスベース、4分目からはウッドベースを弾きながら綺麗な歌声を聞かせてくれます。
この動画を初めて見た時の衝撃も凄かったのですが、2016年に発表した別名義で発表したEmily’s D+Evolutionは笑いがでる程凄いです。
エスペランサ自身もEmily’s D+Evolutionはジャズアルバムではない。と言っている通り、特殊なアルバムになっており、フレットレスベースとウッドベースをこれでもか!というほど弾き倒しています。
1曲目から「なんだこりゃ!?」の連続。ジャンルもノンカテゴライズ…個人的にはこのアルバムのベースラインが意味不明なフレーズと重たいグルーヴが好き。
※エミリー名義の時はメガネ+ドレッドでライブ。
ライブ映像はミュージカルとライブが融合した演劇のように進んでいきます。
とんでもない演奏力と歌唱力ですのでぜひご視聴ください。
Percy Jones (パーシー・ジョーンズ)
ジャコ・パストリアスとは対極的にフレットレスベースを弾くパーシー・ジョーンズ
パーシー作りだすベースラインは一言で言うなら「変」
パーシーの音とフレーズは個性の塊で、ゲスト参加してもパーシー節がなくなることはございません。「この不思議な音階と音はパーシーが弾いてる…」とわかります。
パーシー・ジョーンズと言えばBrand Xを多くの方が紹介されていますが、このページではあえてBrand Xではなくフレットレスベースとフレットレスギターとドラムでのトリオバンドという変わり種の音源を載せておきます。
開幕からパーシーフレーズ炸裂
弦を爪で引っ掻いたり、17秒辺りでは弦を指板から追い出して「ペッ!」という音を出したりしています。
こんな奇妙なテクニックを使うベーシストは世界広しと言えどもパーシー・ジョーンズくらいしかいません。ちなみにフレットレスベースの教則ビデオも出していて、爪で引っ掻く奏法や指板から弦を押し出すテクニックを紹介しています。
ちなみに爪で引っ掻いたり、指板から弦を押し出す奏法は凄く痛い。とのことです。
使用ベース:Ibanez グルーヴラインカスタム
Brand X時代はFenderのプレベやWalのフレットレス5弦
Ibanezを使い始めたのは90年代初期の頃、Ibanez社からAFRを試して欲しいと頼まれ、そこからはパーシーはIbanezのベースを利用。
ソロ音源も出しており、1980年代のチープな機材で打ち込みとフレットレスベースのみで録音されています。変態的なフレーズを一生聴いていたい!という人はこのアルバムは至福の1時間を与えてくれるでしょう。
Les Claypool (レス・クレイプール)
https://www.flickr.com/photos/orgasmatron/35444998621
フレットレスベースを使うベーシストでレスが好きな人はきっと多いはず。
カールトンプソンの36インチ6弦フレットレスを使用し、普通に弾くのすら難関なフレーズを弾きながら歌う変態を極めしベーシスト。
超代表的な曲はTommy the catのセイべべッ!は知ってる人も多いのではないでしょうか?
変態だー!
序盤のスラップもエグいんですが、動画3分から始まるキレッキレッのベースソロを是非とも見て衝撃を受けて欲しい。
弾けるか弾けないかじゃなくて、発想がぶっとんでいます。
Pino Palladino(ピノ・パラディーノ)
現在はプレベがトレードマークになりつつあるピノ・パラディーノが弾くスティングレイのフレットレスプレイは必見、必聴!
ピノのフレットレスプレイの素晴らしさが存分に感じられるバンドは、フィリップ・セスとサイモン・フィリップス、そしてピノ・パラディーノという豪華過ぎるメンツが集まった「PSP」がオススメ。
Gary Willis (ゲイリーウイルス)
Tribal Tech(トライバルテック)のベーシスト ゲイリーウイルス
これぞフュージョン!というまでに弾き倒してます。
特徴的なのは3フィンガーテクニックで、弦飛びのフレーズなどはギターのアルペジオのような奏法で弾いており、543弦は人差し、指中指、21弦は薬指、小指を使って高速パッセージを涼しい顔して弾くフレットレスベーシスト。
使用ベースは昔からIbanezのGWBというシグネイチャーモデルのベース。
ワンピックアップ、スワンプアッシュとメイプルネック、指板がローズウッド。
ボディは驚くほど軽く、取り回しは抜群、彼のベースはIbanez社製ではありますが、製造はSugiが担っているそうです。
Mick Karn(ミック・カーン)
JAPANのベーシストで有名なミック・カーン
日本人アーティストの作品にもよく参加しており、有名どころだと土屋昌巳、SUGIZO、ビビアン・スーなどのバックで弾いていたりします。
ミック・カーンもパーシー・ジョーンズ同様、変わったフレーズを弾いています。パーシーほど不穏なフレーズではありませんが、個性がとてつもないフレットレスベースを聞かせてくれます。
ミック・カーンはスライドや音の揺らし方が特徴的で、なおかつ左手で小指はほぼ使わないというのがまた面白い。
ベースという楽器を理論ではなく感性から作ったフレージングには多くベーシストに影響を与えてきましたが、2011年にガンでこの世を去っています。
Tony Franklin(トニー・フランクリン)
90年代には史上最もヘヴィなフレットレスベーシストと称されており、重たいグルーヴが特徴のトニー・フランクリン
自身のYOUTUBEChannelや、TwitterのIDが「Fretless monster」とフレットレスベースに対しての情熱は凄まじい。
トニー・フランクリンと言ったら、The FirmやBlue Murder、Pearlでのフレットレスプレイがフォーカスされているので、この記事ではDerek Sherinian(デレク・シェリニアン)の作品【Blood of the snake】に参加しているトニー・フランクリンのフレットレスプレイをご試聴ください。
このアルバムはドリームシアターのキーボディストであったデレク・シェリニアンのソロ作品なんですが、参加ミュージシャンが超一流プレイヤーしかいません。
ザック・ワイルドやイングヴェイマルムスティーン、サイモン・フィリップスなどなど…詳しくはBlood of the snakeなどでググってください。
プログレやメタルやハードロック好きは間違いなく楽しめるアルバムとなっています。
Marco Mendoza(マルコ・メンドーサ)
トニー・フランクリンの後任としてブルーマーダーに加入したマルコ・メンドーサもとんでもないフレットレスベーシストだった。
トニー・フランクリンのフレットレスプレイも好きですが、個人的にはマルコ・メンドーサのスラップやタッピング、コード弾きなどを織り交ぜたマルチなプレイが好みです。
紹介する動画ではマルコ・メンドーサのコード弾きから始まり、最初から最後まで表情豊かなフレットレスサウンドを聴かせてくれます。
そして、8分10秒から始まるTeen Townがまたすんばらしいのです。
Jeff Schmidt
ペデュラの5弦フレットレスのレフティーモデルを使用
コード弾きやタッピングを駆使するバカテクながらもメロディラインが美しいフレーズを奏でている動画があるのですが、左利き用ベースなのに、弦は右利き用の配置なんですよね(下から太い弦が張られている)
通常のベースとは違ってピッコロベースなようで、透明感とハリのある音がたまりません。
フレットレスベースの音が宝石のように美しい!
こんな風にサウスポーベースを使っている人ってジミー・ハスリップしか見たことなかったけど、世の中には沢山の変人がいらっしゃる。。。
Remco Hendriks
親指と人差し指と薬指をハジくように弾いてパーカッシブな音を奏でるRemco Hendriks。
フレッテッドでも彼の世界観は凄まじいものですが、フレットレスプレイになるとワールド炸裂です。ダブルストップのコードに合わせたフレージングにもただただ心を奪われます。
フレットレスの甘いメロウな音色と指板を叩きつける音色には驚きです。
永井敏己
フレットレス王という異名を持つ永井敏己
VIENNAやデッド・チャップリンというプログレやメタル界隈の中でフレットレスベースを超絶フレットレスプレイを聴かせてくれるのですが、その演奏レベルは凄まじい。
パーシー・ジョーンズから影響を受けたとあって、いわゆるスタンダードな音階からは少し変わったフレージングが特徴!
過去に「フレットレスベース縦横無尽」という教則ビデオを販売しているんですが、最初は簡単なフレーズだったのに途中からいきなり難易度が超向上して驚いたのを覚えています。
途中のバンド形式でライブ映像は本当に格好良い。
ライブ演奏曲のTAB譜も同封されているけれど、途中までしか記されておらず、もしかして後はインプロ…?と悩んだなぁ(笑)
フレットレスベースの上達のコツは1に練習2に練習、3,4も練習5に練習。と締めくくる辺りは流石です。
今沢カゲロウ
見る人に驚きと感動、そして笑いをもたらしてくれるBASS NINJA今沢カゲロウ。
超絶技巧派ベーシストでありながら、ライブ中のロックスピリットが凄まじい!
映像や音源で聞くよりもライブ演奏を見て欲しいベーシストです。
ライブはまさにエンターテイメント!
目まぐるしく音階、複雑なタッピングやコードを重ねて、曲の土台を作り上げてベースと声だけでアンサンブルが出来上がる様子は必見。
私が一番嬉しかったことは、ライブ中にミスしても、一切気にする様子がなく演奏に没頭しているのを見てより好きになりました。
上手なベーシストが棒立ちで凄まじいフレーズを弾くより、多少のミスがあれど、全身でベースを弾いている今沢さんがかっこよかった!
今沢カゲロウのベースプレイは本当にアグレッシブなので、ライブを見たことのない人は是非ともご覧になって頂きたい!
織原良次
Tokai JB-45のフレットレスを愛用するベーシスト。日本有数のフレットレスベースを専業としているフレットレスベーシスト。
恐らくここ数年でTokaiベースを市場価値を高めたと言っても過言ではないお方。ジャコ・パストリアスに非常に影響を受けているようで、弾き方なんかはジャコそっくり!そして右手のタッチ感やニュアンスがやばい位うまい(語彙力)
弾き方一つで沢山の音色を出し、リスナーを飽きさせないプレイヤーにも関わらず自身のプロジェクト?2010年から始めているBGA(BackGroundAmbient)『透明な家具』では
・ライブではない
・盛り上がらない
・BGMではない
というコンセプトのパフォーマンスを全国で開催!
この透明な家具からインスパイアされて椿田りさの「透明な獺虎」が生まれたというのが実に興味深い。
諸田コウ (Doom,えがおドラミ)
ステンレス指板のフレットレスベースを自由に弾きこなす諸田コウ。
メタル界のジャコ・パストリアスなど言われていますが、それも納得。
フレットレスベースで空間を歪める独特なフレーズや高速タッピング、はたまた和音を活かしたコードなど、諸田コウから生み出される音は唯一無二。
Doom初期は、白塗りに目の周りを真っ黒にしてパンダメイクで、ライブ中に火を吐いたり、ベースを叩き壊したり…とにかく激しいの一言。後期にはメイクを落とし、シルバーにカラーリングされたMoonのJJ-4にアルミ指板、ステンレス指板という強烈な個性を放ったベース諸田銀を愛用。
ソロアルバム「生∞死」ではフレットレスベースを何本も重ねたヒーリング・ミュージックのような音楽性で、Doom時代のようなテクニカルな演奏はありませんが、ステンレス指板やアルミ指板のフレットレスが何本も重ねられた音を聞かせてくれます。
残念ながら1999年にこの世を去っていますが、近年Doom復活によって、再び諸田コウの名前が飛び交うようになり、ファンとしては嬉しい限りです。
Doomの復活によって、諸田コウが在籍していた頃の映像がYOUTUBEやニコニコ動画からはほぼ削除されており、Doom時代の音源で見つけられたのはこの2つでした。
Doom – I’m Your Junky Doll(Live)
Doom – I’m Your Junky Doll(Live)
PJベースのP寄りの音で、グイグイうねらせるグルーヴは必聴!
Doom時代の諸田コウは、ノリもステージングも神がかっており、是非ともDVDで見て欲しい人物です。Amazon primeに入っている方なら1,2,3枚までのアルバムが聴けるので、ぜひ諸田コウの凄みを知ってください。
千葉政己 (Shellshock ,GIGATIC KHMER)
Shellshockでベースを弾いていた千葉政己も強烈なフレットレスベースプレイヤー。
ランディーVの左利き用フレットレスベースがトレードマーク。
ライブ中のアグレッシブなステージングも荒々しいプレイも個性溢れるベーシスト兼ヴォーカリストでした。
諸田コウの体調が悪くDoomでライブができない時には代打で演奏するほどの実力者であり、1994年からは諸田コウの後任ベーシストとしてDoomで演奏・レコーディングをしていました。
FERNANDES製の特注ベースを使用しており、PタイプのEMGピックアップが2つ+ブリッジにシングルが載っているだけあって、非常にガッツのある音。
Dieの愛称で親しまれていたベーシストですが、諸田コウのプレイに影響を受けつつ、不穏でロック色の強いフレージングが印象的。
紹介する動画ではフレットレスベースを豪快に叩きつけるリフから始まり、1分18秒からの間奏部分の怪しげなフレーズは本当に格好いい。
Shellshockは作曲者が歌を歌うというスタイルのようで、千葉政己が作った曲は変拍子で難解な曲が目立ちます。
1993年頃の曲ですが、今聴いても全く古さを感じません。
KORNが流行りだす前から5弦ベースや7弦ギターを曲によって使っていたというから驚きです。
再結成時にレコーディングされたフルアルバム「SHI」に入っている已己巳己 肆『滲』は千葉政己の故郷・福島の震災について歌った曲があるんですが、楽曲もベースフレーズも歌詞も壮絶です。Shell shockもAmazon primeで無料で視聴可能です。
バーチャルフレットレスベーシスト 椿田りさ
2019年に突如として現れたバーチャルフレットレスベーシスト。
17歳の女子高生でステイタス社製のグラファイトネック+フレットレスがトレードマーク。
でしたが、現在はYAMAHAのアティチュード 椿田りさカスタムを愛用
ようやく表に出てきてくれて嬉しい+オリジナル曲が素晴らしかったので紹介させて頂いています。
バーチャルフレットレスベーシスト 椿田りさのYOUTUBEのチャンネルでは上記の曲の解説や、パームミュート奏法を超わかりやすく解説してくれたり、17歳女子高生とは思えない豊富な知識量に驚いてください。
公式チャンネルに登録しておくと、ベーシストからすれば涙モノの情報を惜しみなく発信してくれるので、興味があればぜひ!
ちなみに椿田りさの個別記事もございます。
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