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ジャパンビンテージに憧れて…TOKAI JB45リフィニッシュ+フレットレスに改造

Tokai
この記事は約12分で読めます。

Tokaiのモデファイがネット上で話題になっている時期に便乗して手に入れ、改造しまくったベースです。

なんの変哲もないスタンダードなジャズベースの音。
低域は控えめですが、そのおかげかアンサンブルでは埋もれにくい音作りができるので気に入ってます。

ラウンド弦を貼り立ての状態でスラップをすると普通のジャズベースと変わらないようなスラップサウンドも出せるので普通にスラップもできますし、下手したらそこらの普通のベースより良いスラップサウンドです。

指置きについて
ピックガードが取り付けられていたネジ穴に再利用しているのでボディに新たな穴は空けていません。この位置に指を置いて音を出すと力の入り方も強過ぎず、弱過ぎず適度にリラックスした状態で弾け、芯があって、太い音が出せます。
フロントとリアで弾くのとはまた違った音のニュアンスを出せるため、ジャズベを持っている人は一度お試しください。この指置きはDOOMの故・諸田コウの真似てホームセンターに売っているゴムを長方形に切ってネジを止めして付けています。

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TOKAI JAZZ SOUND JB45のスペック

ボディ材:アルダー(カタログスペック)
ネック材:メイプル
指板材:ローズウッド
ピクアップ:フロント・リア共にMOON純正

TokaiのJAZZ SOUNDにはラインナップが幾つかあります。

  • JB45
  • JB50
  • JB60
  • JB80
  • JB120

JBの後に続く数字は値段。

45なら45000円、85なら85000円ということです。

JB65やJB85はナチュラルフィニッシュで+5000増加

上位機種のTokaiは80から激薄ラッカー塗装。

本家Fenderを超えるような個体も存在すると言われているTokai。実際に海外などではTokaiコミュニティやフォーラムが存在し、日夜マニアックなトークが繰り広げられています。

このTokaiベースを手に入れたキッカケ

TOKAIのベースはかなりいいらしい。

昔から言われてたけれど、TOKAIのベースの実物を見たことなかったし「まぁいいんだろうな」くらいにしか思っていませんでした。

たまたま見に行ったライブで出演されていた方が、TOKAIのTJB70-Jを使いフレットレスでライブ演奏しているのを見てその甘く粘りある音に魅了されたことでTokaiというメーカーに興味が湧く。

演奏者のレベルが高いのもあったとは思いますがフレットレスベースの理想的な音が出ていたんですよ。

余りの音の良さにライブ終了後お話しさせて頂き「良ければ触ってみてください」とベース・アンプに繋がせてもらい弾かせてもらうと…

!!!!?なんというレスポンスの良さ!!!!

TOKAIすげぇ!!!こんな良い音が出るベースが欲しい!

良いとされるTOKAIベースを触ってからわたしのTOKAI熱はどんどん上がっていきました。

TOKAIのベースをネットで探していると沢山のTOKAIのJAZZ SOUNDについての紹介しているページがあってどのページでもTOKAIベースの評判はすこぶる良いのです。

情報を集めて一番驚いたのが有名ハンドメイドギターやベースのビルダーのもとで働いていた方がホームページで書かれた一文です。

「高い=良い楽器と思っている頭でっかちの人には私のメインギターのTokaiを弾かせてます。楽器は値段ではないんだ。という事を身をもって体感してもらってるんです。」

自分が過去にいたメーカーやブランドを紹介せず、Tokaiを紹介だと…!?

もはや私の頭の中ではTOKAI=超良いものになってました。

ヤフオクでジャンクのTOKAIを見つける

ヤフオクをみていたら「TOKAIジャズベ(ジャンク)音出ません」と書かれており、赤のスプレーで悲惨なまでにカラーリングされたボロボロのベースを発見。

画質も汚く、品番が判断ができない。

終了時間まで残り18分という状態で値段は1万6千円

スパロゴ時期のTOKAIは年代的にに70年代後半~82年でかなり古めの個体…
しかし見た目が酷い。

当時の45000円で売られてたJB45だったら嫌だなぁー…と思いながら残りわずかの終了時間を見ていました。

ヤフオクの画像をダウンロードしてPhotoshopを立ち上げ画像を拡大化してみるとブリッジのコマがマイナスドライバーで調整できるイモネジだったのです。

TOKAIのカタログスペックを見ていると上位機種のJB60,もしくはJB80の場合はイモネジだという事を覚えていた私はJB45ではなくて上位機種だ!と判断し光の速さで入札。

数日経って宅配便で届いたベースはヤフオクの画像より酷く汚く、控えめに言ってジャズベースの形をしてるゴミでした。

ペグもサビだらけで回らない
ネックぐいーんって順反ってる
ボディに至っては粗悪過ぎるカラーリング
その上音も出ない
ブリッジもサビだらけ

ただしブリッジのイモネジだけキラキラッな状態が目をつきました

他の金属パーツは鉄くずみたいな錆び方してるのに…なんでブリッジのコマだけ新品同様の輝きが…?と考えたもののどう見てもそのパーツだけ交換されていました。

わたしがJB60かJB80だ!と判断し購入したベースのブリッジはイモネジに交換されてるだけでした。

あれー…?これもしかしてJB45じゃ…?

そう思ってTOKAIの情報をネットで調べているとペグの裏側が3点止めの場合はJB45っていう記述を発見。

1万6千円で赤い音の出ないジャンクベースを買ってしまった…
JB45とか音出る状態でも25000円で買えるし失敗した…リスカしょ…状態です。

まぁでも4弦フレッテッドは持ってなかったし、フレットの付いたベースとして使うか…なんて思って弾いてみると12フレットが笑えるほど浮き上がっており実音が出ないジャンク品だという事が判明。

さすがにこいつのフレットを打ち替えるとか無駄金過ぎる。

せっかくだし塗装を剥いでフレットレスにするか。ということで改造

Tokaiをフレットレス化+塗装剥がし

知り合いの工房にて「自分で塗装を剥がすから場所を貸して欲しい」と伝えフレットレス加工は知り合いに任せました。

とりあえず、真っ赤なスプレーで塗られたまま使うのは、見た目的にも厳しかったので、塗装を剥いでオイルフィニッシュに。

近くで見ると缶スプレーで真っ赤にしました。って感じがよくわかります

 

ボディバックは赤いスプレーで塗られてなかったのでラッキーと思って見てると…黒の塗装の上からでも塗装の劣化もありましたが、センターにうっすら木材のつなぎ目が見えるほど塗装が薄かった

このTokaiはシリアルを見ると81年製
81年のカタログには「ボディは全機種アルダー単板の削り出しだ!(JB120は1ピース単板センの削り出し)」と書いてます。

この時代のカタログは今と違ってアテにならないので、3ピースのアルダーなんだと思ってたので、内心ワクワクしながらヤスリがけをしていると、薄い塗装のお陰ですぐに表面の木材がこんにちは。してくれた。

おわかりいただけたであろうか?

塗装を剥がすと4つの継ぎ目が…1.3の木は少し茶色がかったもので、2,4は白っぽい木材

当時のカタログではボディ材はアルダーって書いてるけど、2,4の白くて木目の薄い木ってバスウッドじゃないかな?

木目も薄いしバスウッドのような白みがかった感じ。
仮にアルダーだったとして別々のアルダーを貼り付けて形を作ってるからカタログ上のアルダー単板削りだしは超嘘です。

ネットで調べてたらTOKAIのJB45を使われている方は結構いらっしゃるんですが、サンバースト系は木目が見えてしまうからか綺麗な木目のものが使われている気がします。

サンバーストじゃなくて塗りつぶし系だと木目見えないから、この辺り適当なのかも?

現代では考えられませんね…笑

JB45の塗装を剥がしたらボディがバスウッドだった。という記事も見たことがありますし、塗りつぶし系は木目ごまかせるから信用ならねぇ。ってことを身をもって知りました。

まぁ当時でも定価45000円ですし、贅沢いうなって話しなんですけどね。。。Tokaiに対しての期待値が高過ぎたのでしょう。

ちなみにその後手に入れたJB60はサンバーストで木目バッチリでした。

Tokai ベース 適当にオイルフィニッシュへ

4つの継ぎ目が見えるまでは本当に丁寧にヤスリがけしてましたが、
4ピースで木材もバラバラと解った瞬間に60番の紙やすりで強引に塗装を剥がしていきました。

だからコンター部分とか少しエグれてます。でもまぁ全然気にしない。安いし。

元々は茶色のオイルを染み込ませる予定だったんですが4つの継ぎ目が見えると嫌だったので、ナチュラルオイルじゃなくブラックのオイルを染み込ませよう。という話しになり、オイルも超適当に塗りました。

もうど~にでもな~れ。

って気持ちで、作業台の上にダンボールを敷いてオイルを染み込ませて着色。

元々ついてたTOKAIのピックアップは良い風に言えばパワーの弱い枯れたヴィンテージサウンドだったので、MOON純正のピックアップを載せ替え。

フレットがなくなって高くなった弦高はナットを削り、さらにジョイント部にシムを入れて角度をつけました。

コンデンサはオレンジドロップに交換
ポットはCTSポットに交換
配線はオヤイデ102SSCに交換
ペグはシャーラーの黒のものに交換

安い楽器ですが弾きやすいように、指板を擦り合わせ、細部まで調整したこのTokai。
誰に弾かせても弾きやすい!と言われるまでになりました。

トラスロッドは3年前に調整して以来、一度も触っていないにも関わらずストレートなネックが素敵です。ネックが強くてメンテフリーっていうのは本当に素晴らしい。ここまでネックが反らない個体はWarmoth製造PGM組み込みのMOONしか見たことないので使えば使うほど感動している。

Tokai:JB45FL(改)の音は平均的なフレットレスの音

アンプから音を出してみるまぁー素直な音…これぞジャズベース!な音に変わりました。

そして車何台買えるかわからない程沢山ベースを買ってきたのに、こんな安い楽器が自分のメインベースになるなんて想像してませんでした。

ネット上でTokaiに対して絶賛コメントばかり見ていたのでTokaiの楽器は全部最高!って勘違いしてましたが…下位スペックのものに関しては必ずしもそれは言えないのかなー?って感じます。

作り込みも正直持ってるMOONのジャズベースと比べると所々甘いですしね。

ただし調整して以来ネックは動かないし平均点以上の音を出してくれるのも事実。

楽器って作り込みとか値段じゃないんだなー。と身を持って体感させてくれられるベースです。

このTokaiのみならずジャパンヴィンテージと呼ばれるボロボロな楽器でも、しっかりと調整して蘇らせられれば大化けする可能性は秘めていると感じます。

フレットレスベース奏者 織原良次

ヴィンテージにどこまで迫れるのか?“FENDER CHALLENGE” その
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コメント

  1. Tokai JB-80 を新品当時から持っています。
    元々、サブ楽器にと飼ったベースで、
    メーカーのオリジナル状態ではライブは一回だけ。
    数年後にはメインのベースの入れ替えに伴って、当時は珍しかった工房(P-Product)でフレットレスに改造して貰い今に至ります。

    十数年前に指板をドレッシング(研磨)
    元々ラウンド張りで薄い指板が更に薄くなって厚みが一ミリ位に(汗)
    、、、この上に指板材を安く張れないかと長らく妄想中

    元々のフロントPUのザクリがタイトな為かピックアップがオリジナルと某工房オリジナルPUの2つがお陀仏になりました。

    一昨年に主治医の工房にてPUをバルトリーニの9STに載せ換え、
    それと併せてノイズキャンセリング加工も施工(+配線はベルデンに?)。

    出音は、、、正に9S系の教科書的に艶やかで美しくスムーズで極上な良い音、、、
    お酒がススミ益(笑)

    • 当時から使い続けているのが素晴らしいですね…!そして研磨によって指板の厚みが1mm……恐ろしいけど容易に想像できてしまいます。

      指板の上に指板を貼る…!面白い発想ですね!
      私が尊敬するベーシストには、ステンレス指板の工業用テープで貼り付けて演奏している方がいまして、いつかは自分も…と思っています。

      別記事のコメントでどうしてフロントが2度も壊れるのだろう…と疑問に思っていたのですが、なるほど。そういうことでしたか笑

      9Sのストックは1セットあるので、私も一度遊んでみたいと思います!