近年のジャパンヴィンテージブームでも名前をよく聞くTokai
Tokaiのギターもベースも状態が良いものを見つければ実際本当に良いのでこの記事はTokaiのベースに焦点をあてて書き記していきたいと思います。
「レスポールタイプのギターでは本家を超える」などと称されたり、King Crimsonのギタリストであるロバート・フィリップがTokai製のギターを愛用していた時期があったり、日本が世界に誇るTokai。
ジャパンビンテージと言えば、Greco、Tokai、Fender JapanのJVやEシリアル…など色々な浪漫溢れたメーカー。その中でも私はTokaiを好んで使っています。個体差はあれど、やはりTokaiのベースは良いなと感じています。
ノードストランドピックアップのデモ演奏で使われてるベース2本がTokaiのジャズサウンドですからね。
このブログでも、私が愛用しているTokaiのJB45のアクセスが多いので、Tokaiのモデルの見分け方なども紹介しています。Tokaiで検索にたどり着くのは織原良二さんの影響でしょうかね。
名古屋大須の信頼のベースショップ@GRACIAS_NAGOYAがRS Guitar Worksにオーダーしたフレットレスベースを試奏しました。
Katalox指板、硬さもありサスティンも充分、最強のフレットレス。
某ギタリストのような超ヘヴィレリック(笑) pic.twitter.com/Q54i98pxLT— 織原良次 ryoji orihara (@orihararyoji) February 6, 2018
最近は減りましたが、ヤフーオークションではJB45などPB40のジャンクベースを上位機種などと謳って出品している方もいるので、適正な価格でちゃんと買える世の中にしたいと思っています。
ちなみに現行のTokaiも素晴らしいベースです。古いTokaiが最高!と言っているわけではないので、そこは理解して頂けますと幸いです。
Tokai(東海楽器製造)
元々東海はアコースティック・ギターMartinの日本代理店として、1970年代から販売・修理をしていました。
販売や修理をするのなら当然知識も必要となるわけで、Martin本社からの技術を提供してもらうことによって、Tokaiは楽器作りのノウハウを吸収していくのです。
1975年にはアコギメーカーであるキャッツアイというブランドでアコースティック・ギターを販売、現在も高い評価を得ています。
1977年にTokaiというブランドを作り、遂にアコギからエレキを製造!
Martinから譲り受けた楽器製造の知識と日本人の職人気質が相まって、エレキギターやエレキベースの売れ行きは好調でした。
完全レプリカ!などとTokaiはカタログなどに記載している通り、ボディ形状が似ているだけでなく、寸法も限りなく再現されており、フェンダーのボディとネックがなんの加工もせずに綺麗に使えたりするシロモノだったようです。
嘘か真かは確認する術を持っていないため、詳しいことはわかりませんが、本家のギターを分解し寸法を測ったりしたとかそうな…
また、当時は現在と違って良質な木材が豊富にあったり、国産のGrecoとの価格競争的なこともあって、苦労して値段を下げて作っていたとかなんとか…
Tokai プレベタイプのハードパンチャー(Hard Puncher)
初めてこの名前を聞いた時はダサ過ぎて吹き出しそうになりましたが、プレベ特有のガッツのある音色にはこの名前は相応く、いまではカッコいい!と思えるのだから人間のセンスはって不思議です。
この項目の最後にはグレード判別方法を書いています。
PB40
ボディ:セン、アルダー、バスウッド
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズorメイプル
ピックアップ:PB-C
ピックガード:3プライプラスティック製
ペグ:3点止フェンダータイプ
ブリッジ:ステンレス
フィニッシュ:ポリ塗装
値段:40,000円
カタログ上では単板削りだし…と書いているが、この当時の楽器メーカーのスペック表は結構あてにならないので、サンバーストで木目が見えているもの以外は信用してはいけません。
ピース数が多いからと言って音が悪いわけではありませんが、塗装を剥いでみたら違う木が組み合わさっていたなんて話しもあります。(私です)
81年から販売されたTokaiのプレベタイプでは一番コストパフォーマンスに優れていただけあって、ヤフオクなどでは比較的手に入りやすいハードパンチャー。
基本的にボディ材はアルダーが多い印象ですが、バスウッドボディのものもちらほら見かけます。
PB48
ボディ:センorアルダーの1~3ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズorメイプル
ピックアップ:PB-B
ピックガード:3プライのプラスティック製
ペグ:3点止フェンダータイプ
ブリッジ:ステンレス製
フィニッシュ:ポリ塗装
値段:48,000円
販売当初はボディ材はセンでしたが、81年以降からはセンorアルダーに切り替わっています。グレード的にはそこまで高くはないのに、ヤフーオークションなどでは余り見かけません。
そして知り合いにPB48を持っている人がいたので、見せてもらうと綺麗なブックマッチの2ピースボディでした。
PB60
ボディ:セン単板1~3ピースorアルダー1~3ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズorメイプル
ピックアップ:PB-B
ピックガード:3プライのプラスティック製
ペグ:4点止フェンダータイプ
ブリッジ:ブラス製
フィニッシュ:ポリ塗装
79年製造時のものなどはPB80と大差がなく、塗装がラッカーかポリ塗装で、ピックガードが違う…くらいでしたが81年頃からはペグもフェンダータイプのものへと変更されています。
PB80
ボディ:セン単板1ピースorセン2ピースorアルダー2ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズorメイプル
ピックアップ:PB-C
ピックガード:アルミ
ペグ:4点止逆巻き
ブリッジ:ブラス製
フィニッシュ:ラッカー
フェンダーの57年製をコピーしたもので最大の特徴はやはりアルミのピックガード
アルミピックガードを使うことで、アルミ自体がノイズ処理を行ってくれるというもの。さらにTokaiはこのアルミ製のピックガードに防錆処置を施しているため、経年劣化で錆びにくいようになっています。
Fender vs Squier vsTokai HARD PUNCHER PB80の比較
動画ではFenderUSA 2001年PJモデルをPのみ、Squier2004年製のプレベ Tokai82のPB80の音を比べているんですが、ハードパンチャーの音のエッジの効いた音や輪郭のハッキリした重心の低い音を聞いてもらえれば、どれだけ優れたベースであるかわかって頂けると思います。
PB85
PB80のナチュラルフィニッシュ仕様
当然木目がいいものが使われるのでルックスが最高なものが多い。
ハードパンチャーの見分け方
・スパロゴは82年まで
・ペグが3点止めなら40か48
・アルミピックガードなら最上位機種の可能性あり
・指板の最終エンド部分(20フレット)に品番示す80など個体もある
Tokai ジャズベースタイプのジャズサウンド(Jazz sound)
JazzSoundは昔から評判が良かったものの、ここ最近では日本のみならず世界中で注目されています。Seymour DuncanのWEATHER REPORTという超高級なピックアップのデモ演奏ページにTokaiのTJB55というベースが音色のサンプルとして使われていたりするほどです。
JB45
ボディ:センorアルダーの1~3ピース(カタログ上)
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズウッド
ピックアップ:JBスーパー
ペグ:3点止
ブリッジ:ステンレス製
フィニッシュ:ポリ塗装
値段:45,000円
ジャズベモデルで一番グレードの低いものですが、サンバーストカラーのものは3ピースの個体が多いです。
塗りつぶし系の個体は塗装を剥がしてみないとピース数がわからないどころか、ボディ材もわかりません。
私が持っているJB45は4ピースでしたが、塗装を剥がしてみる4ピースでした。
糠センやバスウッドボディもあるようなので、アルダー以外は認めない!という方は木目が見えているものを購入しましょう。ちなみに後日アルダーボディのJB60を購入してネックを付け替えて使ってたんですが、上記画像のデタラメなJB-45の方が良い音がして未だに使っています。楽器って不思議です…。
JB60
ボディ:アルダーの1~3ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズウッド
ピックアップ:JBスーパー
ペグ:オールドクルーソン逆巻き4点止め
ブリッジ:ステンレス製
フィニッシュ:ポリ塗装
値段:60,000円
ペグも4点止めのタイプで逆巻きヴィンテージタイプ、木材も2ピースや3ピースの綺麗なものが使われているので、見た目や音と共に満足できるベースではないでしょうか。
JB80
ボディ:アルダーの2ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ローズウッド
ピックアップ:JBヴィンテージ
ペグ:ペグ:オールドクルーソン逆巻き4点止め
ブリッジ:オールドブラススパイラルブリッジ
フィニッシュ:ラッカー塗装
値段:80,000円
ヤフオクでも、楽器屋の店内販売でも8万円以上で取引されていることも珍しくないJB80。それも納得の造りです。
現在販売されている国産ハイエンドにも引けを取らない良質な木材、オールドの楽器のようにラッカー塗装を施しブリッジもブラスで作られています。
この辺りのモデルからプレミア価格になっていき、手に入れた人は中々手放さないため入手は難しくなるでしょう。
JB120
ボディ:セン1ピースorアルダーの2ピース
ネック:メイプル1ピース
指板:ハカランダ
ピックアップ:JBヴィンテージ
ペグ:ペグ:オールドクルーソン逆巻き4点止め
ブリッジ:オールドブラススパイラルブリッジ
フィニッシュ:ウルシ塗装
値段:120,000円
この辺りの値段になってくると金額の値段が大きく変わってきます。
店頭にも余り並んでいなかったでしょうし、JB120は私自身触ったことがありません。特徴となるのはやはりハカランダ指板+漆塗装…
現在であればハカランダの指板材に確保するだけでも数万円の値段になる高級木材を使っているほか、セン1ピースボディやアルダー2ピースボディなど国産のハイエンドメーカーと遜色のないベースです。
あと、漆塗装はやり過ぎです。一本作るのにどれだけコストかかったんだろう…
ジャズサウンドの見分け方
・スパロゴは82年まで
・ペグが3点止めなら45確定
・ブラスブリッジ+マイナスドライバーで調整できるのならJB60以上
・センボディなら上位機種の可能性アリ
・ラウンド貼りではなく、スラブ貼りフレットレスはTJB70
TPBとTJB
82年頃からはTokaiのスパロゴがFender社から訴えられ、Fenderっぽいロゴ使えなくなり、現在のTokaiロゴに変更。
84年以降はオリジナルモデルを多数販売していこうと展開したTokaiは、これまでのPBやJBシリーズに頭文字にTが付けて販売。それと同時にグレードの高い80や120といった上位機種のモデル販売が少なくなっていきました。
また、84年には本家Fenderから直々に起訴され、一時的に販売停止+倒産のダブルコンボを受けるほど追い込まれてしまいます。
その後、86年に東海楽器製造株式会社として復活。
86年以降のモデルはヘッドデザインもロゴもオリジナルシェイプに変更されています。
現在のAPB,AJBモデル
現在のTokaiはAPBとAJBという名前に変わりハードパンチャーもジャズサウンドも販売されています。
当時と同じ楽器製造を心がけており、木材の接着にはタイトボンドではなく、ハイエンドメーカーしか使わないニカワを使用し、Tokaiらしい造りのよい楽器が日夜生み出されています。
ジャパンビンテージのブームのせいか、古い個体のTokaiのベースが高値で取引されたりしていますが、現行のTokaiを触ったことがない方は一度触ってみて造りの良さに驚いて頂きたいです。
値段がリーズナブルなのも嬉しいですよね。
関東地方の楽器店にはTokaiのベースがちょくちょく吊るされていますが、それ以外の地域で店に並んでいないのが悲しいですね。
触れる機会がないからこそ、ヤフオクで過去のTokaiベースが高値で取引されているんだろうなぁ…もっと地方にもTokaiのベースを広めて欲しいものです。
コメント
二十歳の頃?にJB-80を飼いました。
メインではなくてサブとしてで、まあ、そんな事からオリジナル状態だったのは数年間だけで
メインのベースを買い換えたタイミングでフレットレスにしました。
ピックアップの高さを弄っていたらフロントが昇天。
フレットレスということも有ってしばらくそのまま放置プレー。
有名某工房で同工房オリジナルPUに交換。
またまたピックアップの高さを弄っていたらフロントがまたしても昇天。
間に合わせにフロントだけバッカスの汎用PU?を、
(リアをメインなので)そのまま数年前まで(汗)
一昨年にFR共にバルトリーニ9STに交換。併せてノイズキャンセリングも実施(於、現在、主治医の工房さん)。
個人的には理想的なサウンドになりました。
JB-120のボディー材と塗装に齟齬があります。
塗装はなんと、ビックリぽんのウルシ系塗装でス。
ボディー材も確か、アルダーではなかったと思います。
あわわ…お恥ずかしい…シンメイさんのブログでもコメントされていらしたたぬきさんですよね???
Tokaiベースに興味を持ってからシンメイさんのブログ欄のコメントなども見ていたため、ビックリしました…!
そして、このような場所で丁寧になコメントをありがとうございます!
JB120ボディ材、センかアルダーと書かれているのでそのまま書かせて頂きましたが…塗装がウルシって凄い!日本の魂を感じさせますね!
そりゃ当時でもそれくらいの値段じゃないと追いつきませんよね笑
一度で良いので現物を触ってみたいものです。
ウチのJB-80(1981年)絡みの追加情報?
TOKAIさん。64モデルを入手して、
あらゆる箇所やらパーツを入念に採寸~再現。
それに一役以上担ったのが国内初のNCルーターを導入。
カタログにも鼻高々に自慢していました。
あとの笑い話で当時のコンピューターの能力はゲーム機の「ファミコン」程度だったらしい。
今からしたらゴミみたいなモノですが、これが数千万円もしたらしい❗
それだけにあきたらず、
あれこれと「余計な事を」ヤラカシテいます。
ブリッジがオールブラス製(オリジナルに無い仕様)
ジャックはかガタツキと接触不良防止を考えて「ダブルアクション」タイプ(ステレオ型を流用か?)
ナットは「牛骨」
確か、80と120が64年モデルのコピー。
60以下はオリジナルだったと思う。
それで、たしか、、、この80のピックアップ。
笑い話で、口を近づけてしゃべっるなりすると「マイク」に成ります
ベースアンプから声がするwww
因みに、80~81年頃は円ドルの為替が滅茶苦茶。
300~260円/ドル位でなかったかと思う
マクドナルドのハンバーガーが分かりやすい例えになるので、
ハンバーガーはアメリカでだいたい1ドル前後。
もしこれわ単純に日本に輸出させたら300円にばけます。
反対に日本のマクドナルドのハンバーガー(100円)をアメリカの輸出させたら30円ちょっとwww
と言う事で、
当時のフェンダー(本物)はJBやPBは日本では25~30万円位の値段。
そのソックリさん(クローン/コピー)は8万円位
アメリカだと憧れの「フェンダーは10万円位」の値ごろ感と言う事になり、
日本製の優秀な違法コピー(クローン)楽器は2~3万円位の値ごろ感。
フェンダーやギブソンが苦境に陥った訳です。
ネジなんかも採寸して完全再現されていたみたいですね。
当時のNCルーターは時代を考えれば当然ですが、ファミコン程度というのは時代を感じます笑
ピックアップがマイクになるのは面白いですが、当時の日本円とドルの価値も面白いです!
面白いお話しをいつもありがとうございます!
高校生の頃、Tokaiのストラトがものすごい人気で、Jazz Bassが出たら買うと行きつけのブラザー楽器桜山店で話していた所、出ることになったと、しかもパンフレット(細かいスペックを手書きしたものを印刷したもので味がありました)まで出来上がってきて、すぐに注文したのがJB-120で、私のはアルダー2ピースで、3トーンサンバースト、ハカランダ指板、漆ではなくカシューフィニッシュです。
ただハカランダは1ミリ程度の薄い物です。が、独特の香りがあり、その香りは10年くらい残っていたように思います。またボディのカシューフィニッシュも漆の香りがする物で納品された時には薄紙に包まれてきました。
ただ欠点はボディーが偉く重い事と、ネックが順反り、トラスロッドも効かなくなるほどで、20年以上前かと思いますが他社のネックに交換、ピックアップやプリアンプも何度も交換を重ねて使ってきました。
ところが、少し前にこのネックもダメになりまして、今お休みしてもらってます。交換ネックが見つかったら復活させたるつもりです。どうしても捨てる気になれないんですね。
素晴らしい体験談をコメント頂きありがとうございます。
楽器に対しての愛情が深くて文章を読んでて嬉しい気持ちになりました。
Tokaiの手書きで説明しているパンフレット面白いですよね!
当時の職人たちが書き殴っている熱量にワクワクしました!
交換出来る良いネックが見つかったら復活させて使ってあげてくださいね!
The JB120 you mentioned in the post is in my bedroom now. My friends found it and help me got it. I collected tokai basses for years and owned almost 40pc tokai vintage basses. These are underated treasures. Love these vintage lawsuit tokai basses. I also order comtemperary tokai basses and they are great bass for the price. Compare to the vintage tokai these newer ones has more treble.
Is that true!
I never thought that someone who bought that bass would comment directly to me, and I am truly thrilled.
I’m so envious that you own almost 40 TOKAI basses! I only have 3 basses, but the cheapest one, a JB45, sounds the best… I realized that musical instruments are not about price. I realized that price is not a factor in instruments.
””Compare to the vintage tokai these newer ones have more treble.”’
↑I think that’s exactly right.
I feel it has a more modern and exiting sound.
Does Wang also have a bass with SEB construction?
I’m in Japan and have never touched one, so I’m very interested.
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